前立腺がん末期の症状や治療・ケア方法について解説
「「前立腺がんについて知りたい」「前立腺がんに興味がある」という方も多いのではないでしょうか。前立腺がんの症状についてある程度知っていても、末期にどうなるかを知っている方は少ないでしょう。本記事では、前立腺がん末期の症状や治療法、ケア方法などについて解説します。これを読めば前立腺がん末期の概要が分かります。前立腺がんを治療やケアする際に役立ててみてください。
前立腺がんの特徴
多くの前立腺がんは比較的ゆるやかに進行し、早期に発見して治療すれば治癒が望めます。ただし進行すれば、精嚢、膀胱、直腸などに浸潤し、さらに肝臓、肺、脳などに転移すると命にかかわります¹。前立腺がんの5年生存率(ネット・サバイバル*)は以下のとおりです
- 前立腺がん全体 : 95.1%
- Ⅰ期 : 100.0%
- Ⅱ期 : 100.0%
- Ⅲ期 : 98.5%
- Ⅳ期 : 60.1%
Ⅳ期とは前立腺周囲にあるリンパ節への転移または遠くにある臓器への転移が見られる状態です³。 前立腺がんは他のがんと比べると予後が良好です。
また他の病気で亡くなられた方を病理解剖した際に、前立腺がんが初めて見つかることがあります。そのケースでは前立腺がんは寿命に影響しなかったと考えられます。そういったがんを「ラテントがん」と呼びますが、前立腺がんでは比較的多く見られます¹。
前立腺がん末期の症状
前立腺がんの末期つまりⅣ期においては、膀胱、直腸などへの浸潤、リンパ節、肝臓、骨、肺、脳などへの転移が見られます。それぞれの臓器に特徴的ながんの症状を一覧に示します。ただし、がんの広がり方によって症状が異なる点に注意してください。
必ずしもすべての症状が現れるわけではありません。
| 膀胱浸潤 | 血尿、排尿時の痛み、排尿回数の増加、残尿感など⁴ |
|---|---|
| 直腸浸潤 | 便の表面に血がつくなど⁵ |
| 肝転移 | 腹痛、背部痛、黄疸(おうだん)、むくみ、腹水など⁶ |
| 骨転移 | 腰椎転移による腰痛など⁷ |
| 肺転移 | 血痰、喘鳴、息切れなど⁸ |
| 脳転移 | 体の麻痺、発音がうまくできないなど⁹ |
また全身症状として食欲不振、体重減少などが見られます。
前立腺がん末期の治療・ケア方法
末期の前立腺がんの治療では、内分泌療法、細胞障害性抗がん薬などの薬物療法などが行われます¹⁰。
内分泌療法
前立腺がんは精巣や副腎から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)によって進行が促されます。したがってアンドロゲンの分泌や働きを妨げる薬を用いて治療すれば、前立腺がんの進行を少しでも抑えられるのです。治療薬として抗アンドロゲン薬、新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬などが用いられます¹¹。細胞障害性抗がん薬
がん細胞を小さくしたり、消滅させたりする抗がん薬を用いた治療です。副作用として吐き気やおう吐などが見られますが、副作用を予防する薬も開発されており、抗がん薬の作用と副作用を比較・検討しながら治療していきます¹²。その他の治療
骨転移が見られるときは、進行を抑えるために骨修飾薬を用いることがあります。また痛みが強い場合、鎮痛薬を用いながら、麻酔薬を併用することもあります。さらに痛みの場所が限局的な場合、放射線治療が効果的なこともあります¹²。緩和ケア
がんやがんの治療によって生じるさまざまな症状や副作用・合併症を和らげるために行われるケアのことです。体のこと、気持ちのこと、治療によって生じること、社会的なこと、人生に関することなどについて、医師、看護師、心理士、ソーシャルワーカーなどの緩和ケアチームが前立腺がんの療養を支えてくれます¹³。前立腺がんは早期発見が重要
前立腺がんは進行したⅣ期となると、膀胱、直腸などへの浸潤、肝臓、骨、肺、脳などへの転移が見られ、それぞれの臓器に特徴的ながんの症状が現れます。そして内分泌療法などの治療を受けたとしても、Ⅳ期の5年生存率は60.1%と予後不良です。それに対してⅠ期、Ⅱ期の5年生存率は100.0%と予後は良好であり、がんといえども治療すれば治癒が望めます。つまり前立腺がんの早期発見のために、自覚症状のない時期から健診を受けることが重要です。
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参考文献
- 前立腺がんとは|前立腺がんについて|国立がん研究センターがん情報サービス
- 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|国立がん研究センターがん情報サービス
- 病期・リスク分類と治療の選択;図3|前立腺がんについて|国立がん研究センターがん情報サービス
- 膀胱がん|国立がん研究センターがん情報サービス
- 大腸がん(結腸がん・直腸がん)|国立がん研究センターがん情報サービス
- 転移性肝がんの症状|浜松医療センター
- 症状|前立腺がんについて|国立がん研究センターがん情報サービス
- 症状|転移性肺腫瘍|日本呼吸器学会
- 転移性脳腫瘍の主な症状(PDF)|静岡がんセンター患者支援・相談
- 病期・リスク分類と治療の選択 図4|前立腺がん治療|国立がん研究センターがん情報サービス
- 薬物療法 1)内分泌療法(ホルモン療法)|前立腺がん治療|国立がん研究センターがん情報サービス
- 薬物療法 2)細胞障害性抗がん薬による治療/その他の治療|前立腺がん治療|国立がん研究センターがん情報サービス
- 緩和ケア/支持療法|前立腺がん治療|国立がん研究センターがん情報サービス